40代キャリア戦略の再構築: ミッドライフの分岐点に立つとき

40代に差し掛かり、「このままでいいのだろうか?」とふと立ち止まる瞬間はありませんか。毎日同じ仕事の繰り返しで新鮮味がなく、将来への展望が描けない…。若手の活躍に焦り、自分の存在価値に疑問を抱くこともあるでしょう。

そう、私です。

ミッドライフ・クライシス(中年の危機)という言葉があるように、40代はキャリアの分岐点に立つ時期です。停滞感や転職への迷い、上司との関係に悩むあなたに寄り添い、心理学と戦略思考でキャリアを再構築する道を探ってみましょう。

40代の停滞感に共感する:あなただけじゃない悩み

「この先、自分は会社に必要とされるのだろうか?」――そんな不安を抱えていませんか。実は同じような悩みを持つ40代のビジネスパーソンは少なくありません。若い部下や後輩が次々と成果を上げ、自分の役割が薄れているように感じたり​note.com。上司からの評価が伸び悩み、理不尽な指示にストレスを感じているかもしれません。「このまま自分のキャリアは終わってしまうのか?」と焦りを覚えることもあります。それはあなただけの悩みではなく、誰もが通る道なのです。

山口周さんは著書『人生の経営戦略』において、40代に差し掛かるとキャリアが停滞しやすくなる現象について言及しています。​この年代では、ある程度の実績や評価を得ていることが多く、「みっともない姿を見せたくない」という心理が働き、挑戦や成長の機会を避けがちになると指摘しています。​このような状態が続くと成長が止まり、キャリアの停滞を招く可能性があります。​山口さんは、心理学者ロバート・キーガンの研究を引用し「弱さ」や「みっともなさ」をさらけ出すことが、成熟や成長の機会になると述べています。キャリア形成においては、偶然の出来事や出会いが大きな影響を与えるとする「計画された偶発性理論」を紹介しています。​この理論では、好奇心、粘り強さ、柔軟性、楽観性、リスクテイクといった特性が、良い偶然を引き寄せる鍵であるとされています。40代でのキャリア停滞を乗り越えるためには、「みっともない姿」を恐れずに新しい挑戦を受け入れ、成長の機会を積極的に探すことが重要であると提案しています。

40代はキャリアを再構築するチャンスの時期であると捉え、次に述べる戦略で突破口を見いだしましょう。

停滞を突破する戦略: 心理学×戦略思考で未来を描く

停滞から抜け出すには、感情に流されるだけでなく戦略的な視点を持つことが重要です。ここで鍵になるのが、心理学の知見と戦略思考を組み合わせたアプローチ。

まず現状を客観的に分析してみましょう。自分のキャリアの棚卸しを行い、強み・弱み、得意なことや本当にやりたいことを書き出しましょう。この機会に自分の価値観や人生の目的を見直し、今後何を成し遂げたいか描いてみましょう。ぼんやりした不安も言語化することで整理され、進むべき方向が見えてきます。

また、上司や会社の評価に振り回されず、自分自身を一つの「会社」と捉えてみましょう。社外活動に挑戦し、会社に頼らず通用する価値を磨いてみましょう。

さらに、最新の知識やスキルを身につける戦略も欠かせません。時代の変化への不安は、学び直し(リスキリング)で克服できます。オンライン講座や資格講習など学び直しの機会は40代からでも豊富です。新たな知識を吸収し続ける姿勢は「まだ成長できる」という自信につながり、停滞感を打破する原動力になります。

戦略を現実に移す実践方法: 小さな一歩から始める

戦略が定まったら、次は具体的な行動に移しましょう。頭で考えるだけでなく、小さな一歩を踏み出すことが大切です。以下は心理学的テクニックも活用した実践方法の例です。

  • リフレーミングで視点を変える: 悩みを書き出し、それをポジティブな表現に言い換えてみます。例えば「停滞しそうで不安…」を「今は充電期間で、次の飛躍の準備中」に置き換えると気持ちが軽くなります。ネガティブな独り言を減らし、前向きな自己対話を意識しましょう。
  • 上司との関係を再構築する: 上司の立場や目標を想像し、相手の視点に立ってみましょう。その上で、自分の意見や希望を冷静に伝える場を設けます。対立ではなく協働の姿勢を示せば、上司もあなたをパートナーとして見てくれるかもしれません。
  • 小さな成功体験を積む: 大きな目標をいきなり目指すのではなく、すぐ実行できる小さな目標から始めましょう。小さな達成の積み重ねが自己肯定感を高め、次の挑戦への意欲を生みます。

小さな前進の積み重ねが現実を変えていきます。完璧を求めて立ちすくむより、少しずつでも前進することが大事です。「もう遅い」ではなく「今だからこそできることがある」と自分に言い聞かせ、実践を始めましょう。

40代ならではの、初手を。

明日から始めるアクションプラン: まず何をする?

最後に、明日から取り組める具体的なアクションプランをまとめます。小さな一歩で構いません。できそうなものから実行してみてください。

  1. キャリアの棚卸しをする – これまでの経験や強み、価値観を書き出し、今後大切にしたい軸を3つ挙げてみましょう。
  2. 上司や同僚と対話する – 信頼できる上司や同僚にキャリアの悩みを相談し、率直に将来やりたいことを打ち明けてみましょう。思わぬヒントや機会が得られるかもしれません。
  3. 小さなチャレンジを実行する – 日常業務で何か一つ、新しい提案や改善策を試してみましょう。結果はどうあれ、行動することで自分にも変化を起こせると実感できるはずです。

以上の中からまず一つでも実行してみましょう。行動して初めて見える景色があり、そこから次の一手が生まれます。40代だからこそ培ってきた知恵と経験があります。それらを土台に、今からでもキャリアの第2幕を描いていきましょう。

カウジの実践

私自身がこれまでやってきたことを実体験を交え、ご紹介します。

1.キャリアとしての立ち回り

現在は43歳で、この会社が定年を迎える60歳まで続いているとは思えないという状況を逆手にとって、今しかできないような事柄・視点を敢えて入れています。どこまで踏み込むとアウトか、ここまでなら許させるか的な観点。役員に直接、改善の提案書を持ち込むとか。権威性のありすぎる、恐れられすぎて近寄りがたいと思われている役員を、敢えてイジって見るとどうなるか、とか。その役員は、私のこういったアクションを意外にも評価してくれました。恐らく、恐れられすぎて意見が上がってこないことを本人も気にしていたんだなと察しました。周りが思っていることと、ご本人が考えていることには開きがあり、その間に入ると組織はもっと良くなるんだなと思った瞬間でした。

2.価値観の棚卸

・小学生のころから、自分自身がどういった価値観で動いていたかを振り返ってみました。算数・数学が得意で、人から教えてと言われるのが好きで、自らちょっと先を勉強して、教えてというサイクルが出来ていました。インプットとアウトプットのバランスが良かったと思います。

・今、流行っているMBTI診断より詳細な「ストレングスファインダー」で、自分の資質が何かを客観的に評価しました。自分では好きで得意だったと思ったことが、意外にそうではなかったと気づくことも。ただ、MBTI診断にも言えることですが、あくまでも参考値として。出てきた結果に自分を当てはめて、その枠の中に留まることに満足してはいけない。で、どうするか。こちらの方が大事。これはまた別の記事でご紹介します。

・ビッグファイブテストも並行して実施しました。ビッグファイブとは、人間の性格を①外向性、②協調性、③誠実性、④神経症傾向、⑤開放性 以上5つの因子で分析する心理テストのことです。心理学の研究で最も広く支持されている性格モデルの一つで、性格特性を科学的かつ体系的に評価できるツールとして知られています。上記のMBTI診断が、あくまでも参考値とした方がいい理由は、④神経症傾向 こちらが分析されていないこと。メンタルの不安定さによってものの見方が変わることは多々あり、一番重要なポイントだと思っています。こちらは別の記事で紹介します。

続編への予告: 次のステップへ進むために

次回は40代でキャリアチェンジや転職に成功した人の事例や、さらなる自己成長の具体策を紹介する予定です。今のモヤモヤを解消し、次のステージへ踏み出すヒントを一緒に探りましょう。お楽しみに!

ではまた!

カウジ

長野県出身・埼玉在住の43歳、カウジです。
ゲームプログラマーを目指し上京→早々に挫折→派遣で模索…そんな人生でしたが、気づけば中間管理職に。
遠回りしながら見つけた「人の成長を支える楽しさ」を原動力に、今は“学び”と“気づき”をブログで発信しています。
本棚100冊の知識と試行錯誤の記録、よかったら覗いてみてください。

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