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40代で仕事を辞めたい私が『ロングゲーム』を読んで考えたこと

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最初は、同僚との出世競争で、少し前を走っていました。
ところが役職の差が開くにつれ、勝ったという気持ちより、別の不安が大きくなりました。

「この人たちが将来、自分の部下になるのか」

そう考えた瞬間、
なんだか急にしんどくなってしまいました。

今の仕事をあと数年続けるだけなら、どうにか我慢できるかもしれません。
でも、65歳までこのゲームを続けるのか。人生、このまま我慢で終わるのか?
考えれば考えるほど、私には無理でした。

とはいえ、会社はまだ辞めておらず、現在は休職中で、退職する意思を固めた段階です。
辞めたあとの明確な計画も、まだありません。

転職後に休職するまでの経緯は、プロフィールにまとめています。

転職先も、独立して稼げる見込みも、まだありません。
いまはブログやLINEスタンプ、気になっていた勉強を試しつつ、昔やりたかったゲームにも寄り道しています。

だから「これはキャリアの準備期間なのか、それとも単に遊んでいるだけなのか」と、自分でも少し分からなくなります。

そんなとき、たまたま、赤羽の本屋さんで見つけたのが、
ドリー・クラークさんの『ロングゲーム 自分を取り戻す人生戦略』でした。

この本を読んで、まだ何かを成し遂げていなくても、考えたり学んだりする時間そのものが、
次のキャリアの一部になるのかもしれないと思えるようになりました。

いま思っているのは、
40代で立ち止まることは、キャリアから脱落することではない
ということです。
次に進むために、いったん足を止める時間もある。

机の上に置いた書籍『ロングゲーム 自分を取り戻す人生戦略』の表紙
現在読んでいる『ロングゲーム 自分を取り戻す人生戦略』

まだ読んでいる途中ですが、現時点で私が持ち帰ったのは、主に次の3つです。

  • 考えるための余白は、空くのを待たずに先に確保する
  • キャリアには「学ぶ・創造する・つながる・収穫する」の4つの波がある
  • すぐに成果が出ない期間を、失敗と決めつけない

これは本の結論をそのまま並べたものではなく、退職を考えている今の私が、自分の状況に引きつけて受け取ったことです。

目次

私は、複数のことを同時にできない

私は、いくつものことを同時に進めるのが、ほんとうに苦手です。

どのくらい苦手かというと、ご飯とおかずを交互に食べることすら、あまりできません。

おかずを食べ始めたら、おかずを食べる。ご飯を食べ始めたら、ご飯を食べる。いわゆる三角食べができず、一つずつ片づけてしまいます。

仕事でも、たぶん同じです。

複数の課題を抱えながら、将来のキャリアも考え、勉強もして、副業も育てる。
器用な人ならできるのかもしれませんが、私には難しい。

とくに消耗したのが、「人の調整」でした。

同じことを指摘しても、状況がほとんど変わらない。
それでも、こちらは同じ説明と調整を繰り返す。そんな状態が1年近く続きました。

あわせて派遣社員同士の間に入り、話を聞き、伝え方を考え、また調整する。
もちろん、必要な場面はあると思います。とはいえ、当時の私には、

「こりゃいったい何をやっているんだ? ムダに神経をすり減らしているだけじゃね?」

としか思えなくなっていました。

感謝されたかったわけではありません。
ただ、休日出勤を複数回しても、状況は前へ進まず、最後には上長から方向性まで問われる。
やったことが積み上がらず、自分だけが少しずつ削られていく感じがありました。

そこで浮かんだのが、
「この調整を、自分が上司になる立場で、この先20年近く続けるのか」という未来でした。

そう考えると、私には65歳まで続けられるゲームには見えませんでした。
誰が悪いというより、私とこの環境の組み合わせが、もう合わなくなっていました。

つらかったのは、忙しさだけではありません。
自分の時間と神経を、何のために使うのか。
それを自分で決められない感覚が、いちばん苦しかったのかもしれません。

そこで、まだ会社には在籍していますが、退職する意思をガッチリ固めました。

次が決まっていないのに辞めるのは、逃げなのか

仕事を辞めたいと思ったとき、最初に出てくるのは不安です。

「次はどうするのか」

「収入がなくなって大丈夫なのか」

「ただ逃げたいだけではないのか」

同じ問いを抱えている40代の人は、私だけではないはず。

特に40代になると、20代のころのように「とりあえず辞めてみます」とは言いにくくなります。
家族や住宅ローン、老後、これまで築いてきた立場など、
考えなければならないことが増えているからです。

私の現在の年収は約830万円。手放すには、かなり大きい金額です。
辞め方だけを見れば、逃げに見えるかもしれません。自分でも、そう思う瞬間はあります。

それでも最後に残ったのは、「オレはオレの意思で生きる」という、少し乱暴な気持ちでした。
今回は、年収830万円を守ることより、自由を選ぶと決めました。
まだ退職前ですが、気持ちは決まっています。

幸い、投資用のワンルームマンションが少しいい価格で売却でき、
現在は3,000万円近くの資産があります。
「しばらくなら、どうにかなるだろう」と思えたことも、決断を支えました。

もちろん、3,000万円あれば一生働かなくていい、という話ではありません。
生活費や税金、社会保険料もかかりますし、相場や今後の支出によって状況は変わります。

ただ、少なくとも当面の生活費をまかなう時間は確保できそうです。
その時間を、焦って次の勤め先を探すだけでなく、
これから何に時間を使うのか考えるための余白にしたいと思っています。

これは、誰にでも退職を勧める話ではありません。
生活費の見通しや家族の状況は人によって違います。
私も自分の資産や支出を確認したうえで、私の場合に限って、
この選択肢が取れそうだと判断しています。

午前中、妻が出勤したあとに余白を作る

いまは午前中、妻が出勤したあとに、何もしない時間を必ず作るようにしています。

何もしないといっても、頭の中が空っぽになるわけではありません。
むしろ「あれはどうする」「これもやらないと」と、考えが勝手にぐるぐるします。

以前なら、すぐにスマホを見たり、何か作業を始めたりして、
その考えを追い出していました。いまは、あえて止めません。

考えを自由に動かしていると、「本当はこういうことにも興味があったよね」とか、
「あの頃、やってみたかったのに挑戦しなかったな」といったことが出てきます。

答えを出す会議というより、忘れていた自分の話を聞く時間に近いです。

もし同じように先が見えなくなっているなら、いきなり退職を決める必要はありません。
まず10分だけ、予定を入れずに座ってみる。それでも十分です。

  • いまの仕事で、もう続けたくないことは何か
  • これまでの経験のうち、これからも使いたいものは何か
  • 結果が出なくても、半年だけ試してみたいことは何か

全部に答えられなくても大丈夫です。何も浮かばなければ、10分座っただけで終わり。
できない日があっても、翌日か翌週にまた10分から始めればいい。
私も、まだ答えを探している途中です。

赤羽の本屋で『ロングゲーム』を見つけた

仕事を辞める方向で考え、ブログや勉強を始めたころ、
赤羽の本屋さんで『ロングゲーム』を見つけました。

本書は、目の前の成果だけを追うのではなく、
自分にとって意味のあることへ長期的に時間を投資する考え方を扱った本です。

忙しいと、「今週の仕事をどう終わらせるか」で毎日が埋まり、
「自分は5年後、どんな仕事をしていたいのか」を考える時間がなくなります。

『ロングゲーム』では、まず考えるための余白を確保し、
長期的な目標に集中することが大切だと説明されています。
また、魅力的な話であっても、自分の目標につながらないものには「ノー」と
言う必要があるといいます。

これは、私には少し耳の痛い話でした。

仕事を辞めて余白を作ろうとしているのに、ゲームもしたいし、ブログも書きたい。
LINEスタンプも作ってみたいし、勉強もしたい。少しずつ手を出しているので、
早くも余白を埋め始めています。

ただ、今はそれでもいいのかもしれないとも思っています。

何を続けたいのか、何が仕事につながるのかは、実際に試してみなければ分かりません。
最初から一つの正解を決めるのではなく、小さく試しながら、
自分が進みたい方向を探す期間だからです。

キャリアには「学ぶ・創造する・つながる・収穫する」の4つの波がある

『ロングゲーム』を読んで、特に印象に残ったのが、キャリアを「波」で考えるという部分です。

本書では、キャリアを次の4つの波で捉えています。

  • 新しい知識や技術を身につける「学ぶ」
  • 学んだことを形にする「創造する」
  • 人との関係を育てる「つながる」
  • 評価や収入として受け取る「収穫する」

私たちは、何かを始めると、すぐに収穫したくなります。

ブログを書けば、すぐに読まれたい。LINEスタンプを作れば、すぐに売れてほしい。
勉強を始めたら、早く仕事や収入につなげたい。

でも、学び、創造し、人とつながる時間を飛ばして、いきなり収穫だけを得るのは難しいですよね。

私は今まで、成果が出ないと「向いていないのではないか」と早めに判断することがありました。けれど、まだ収穫の時期ではなく、学んだり創造したり、人とのつながりを育てたりする途中だった可能性もあります。

40代でキャリアを変えるときも、たぶん同じです。

会社を辞めた翌月から新しい仕事が軌道に乗る、という展開が理想ではあります。でも、実際には、知らないことを学び、試作品を作り、人に見てもらい、失敗して修正する期間が必要です。

だから私は、少なくとも今は、学びと創造を優先してみようと思っています。

何も生み出していない時間にも意味がある

とはいえ、休職して仕事から離れていると、焦りが出てきます。
毎月の給料や役割が、急になくなったように感じるからです。

ブログが読まれない。LINEスタンプが売れない。勉強も仕事につながらない。
そんな日には、「自分は何をしているんだろう」と思います。『ロングゲーム』が教えてくれるのは、意味のある成果には時間がかかるということです。何も起きていないように見える間にも、知識や作ったものは残り、人とのつながりも少しずつ増えていきます。

もちろん、続ければ必ず成功するわけではありません。
方向が間違っていることもありますし、途中で別の道へ変える必要もあります。

それでも、数週間や数か月で結果が出なかったという理由だけで、
すべてを失敗と判断しなくてもいい。その考え方には、少し救われました。

仕事を辞める決断は、ゲームから降りることではなかった

仕事を辞める決断は、「今のゲームから逃げること」だと感じていました。
でも今は、次に参加するゲームを選び直す時間なのだと考えています。

いったん距離を取り、自分は次にどのゲームへ参加したいのかを考える。
必要なことを学び、小さく作り、試してみる。それもまた、キャリアの一部です。

むしろ問題だったのは、辞めたいと思ったことではなく、
忙しさの中で考えることを先送りしていたことなのかもしれません。

転職、ブログ、新しい技術、それとも別の場所で会社員を続けるのか。
答えはまだ出ていません。

この記事も「会社を辞めたら人生がうまくいきました」という成功談ではなく、現在進行形の記録です。ゲームに寄り道する日も、思ったほど勉強できない日もあります。

ただ、今はすぐに正解を決めるより、学びと創造の波に乗ることを優先してみます。

『ロングゲーム』が向いている人・向いていない人

この本が向いているのは、次のような人です。

  • 40代になり、今の仕事を続けることに違和感がある人
  • 忙しいのに、自分の人生が前へ進んでいる気がしない人
  • 転職、副業、独立などを考えているが、焦っている人
  • 新しい挑戦を始めても、すぐに結果が出ず落ち込んでいる人
  • 数年単位で次のキャリアを育てたい人

一方で、短期間で転職を成功させる方法や、
すぐに副業収入を得る手順を知りたい人には、少し合わないかもしれません。

この本は、即効性のあるノウハウ集というより、長い時間をどう使うかを考える本だからです。

具体的な答えをもらうというより、自分のキャリアを考えるための視点をもらう本。
その表現がいちばん近いです。

40代で立ち止まることは、遅れることではない

40代になると、立ち止まることが怖くなります。

同世代が昇進したり、収入を増やしたりしているときに、自分だけ学び直しを始める。
収穫の時期にいる人を横目に、自分は学習へ戻る。

少し情けなく感じるかもしれません。

でも、残りの職業人生が20年以上あると考えれば、
ここで方向を見直す時間が、次のキャリアを作る助走になることもあります。

少なくとも私はそう信じて、午前中に余白を作るところから始めています。

『ロングゲーム』は、仕事を辞めるべきかどうかを決めてくれる本ではありません。
ただ、「今すぐ結果を出さなければ」という焦りから少し離れ、これから何に時間を使いたいのかを考えるきっかけにはなりました。

もし今、65歳までこのまま働く未来を想像してしんどくなっているなら、
一度この本を読んでみてもいいかもしれません。

すぐに人生を変えるためではなく、これから数年かけて、
どんな人生を作りたいかを考えるための一冊です。

※Amazonのアソシエイトとして、「40代 人生設計ノート」は適格販売により収入を得ています。


書籍情報:ドリー・クラーク著、伊藤守監修、桜田直美訳『ロングゲーム 自分を取り戻す人生戦略』。本書は2022年刊行『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』の新装版です。出版社公式ページ(2026年8月12日確認)

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