FIREを卒業する理由とは?働かない自由と、その先の幸せ

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念願のFIREを果たしたはずなのになぜか、再び働き始める人がいます。内容を見るとどうも、仕事を離れたことで働いていたときの充実感や、人とのつながりの大切さに気づくことがあったとか。

これは、定年退職後にも十分に起こりうることです。早く退職した人はそれだけ早く、仕事を離れた後の暮らしに向き合う機会を得たとも考えられます。そう考えると、FIREした人だけの問題でもないような気が。

退職後の暮らしを振り返った前の記事に続き、今回は、自由な時間をどう充実させるかを考えます。FIREを目指す人にも、定年退職を控えた人にも、今からできることがあります。

この記事の結論

FIRE関係なく、退職する前から、夢中になれる活動と、仕事以外の人とのつながりを持つこと。

目次

FIREしたいはずなのに卒業?

FIREを卒業?再度働き始めるケースも

仕事に追われていると「仕事を辞めるためFIREして、好きなことだけをして暮らしたい」と思う人も多いのでは。それだけに、FIRE後に再び働くと聞くと、不思議に感じるかもしれません。

FIRE後に再び働き始める人には、資産や生活費の事情とは別に、やりがいや社会とのつながりを求める人もいました。退職後に十分に休んだことで、誰かと一緒に何かを進めたい、自分の力を役立てたいという気持ちが出てくる場合もあるのかなと思いました。

働くことで得た充実感があった

仕事は、最初はなんだかよくわからないことが多いし、つまらない。けれど、やっていくうちに、何となく理解が深まり、自信に繋がり、そこに自分の居場所が出来ていく。充実感は、続ける中で育っていくこともあると思います。生活のために始めた仕事でも、経験を重ねるうちに、できることや任されることが増えていきます。

例えば、教わった手順で作っていた資料に、自分なりの工夫を加える。それで仕事が進めやすくなり、周りから相談されるようになると、「こういうのが求められているのか」と分かってくる。誰かの役に立てたことが、充実感につながっていく。こういう流れも、あるのではないでしょうか。

人の役に立つ仕事をした人が、その仕事をより有意義だと感じた実験もあります。

仕事を離れた後に恋しくなるのは、こうして育ってきた自分の役割や、自分のしたことを喜んでくれる相手との関わりなのかもしれません。

仕事を通じて得ていた充実感

達成感

工夫してやり遂げる

人との会話

仲間と話し合う

役に立つ実感

誰かに喜んでもらう

退職後も、趣味や交流、身近な手助けから充実感を育てる。

改めて、FIREすることの目的とは

仕事を辞めたい理由が「やりたいことができないから」であれば、その活動に着手できる暮らしをつくるためにFIREや、サイドFIREを目指すというのはありだと思います。

充実感を仕事で得ているのなら、仕事を完全に辞めず、働く時間を減らすサイドFIREもありだと思います。自分の時間を持ちながら、仕事を通じた社会とのつながりや、誰かの役に立つ機会も残せる。そういう暮らしがちょうどよい人も多そうです。

私には、20年前に描いたビジネスの夢に、もう一度挑戦したいという思いがあります。会社員の頃は、仕事で疲れ、やりたいと思っていても着手できませんでした。退職後の時間を、そのためにも使っていきたいと考えています。

会社員時代の経験を、資料やひな型、記事などにまとめ、必要としている人に届ける。そうした工夫が積み重なるストック型の仕事を目指しています。誰の役に立つかを考え、学び直し、形にしていく。この再挑戦も、自由な時間に取り組みたいことの一つです。

窓辺の机でノートを開き、穏やかに考えるカウジ

人生が充実する時間の使い方

そもそも自由な時間とは

仕事に追われていると、自由な時間が増えれば、それだけ暮らしも充実すると思いたくなります。退職すれば、旅行をしたり、平日に外食を楽しんだりもしやすくなる。でも、そんな時間が増えれば、ずっと満たされるのでしょうか。

キャシー・ホームズ著『「人生が充実する」時間のつかい方』では、自由な時間の多さと幸福感が、単純に比例するわけではないことが紹介されています。出版社が公開している原書の抜粋では、時間が足りないとストレスを感じる一方で、時間がありすぎても、何かを成し遂げている感覚を持てず、満足感が下がる場合があると説明しています。

ホームズは、趣味や運動、家族の世話、ボランティアなども、日々の目的や達成感につながるとしています。これは、お金を稼ぐ仕事に限った話ではないということです。十分に休んだ後、何かをやり終えて「今日はこれができてよかった」と思えることがあるか。FIRE後に欲しいのは、予定のない時間だけでなく、そんな手応えのある毎日なのだと思います。

趣味、交流、貢献

趣味を楽しむ時間に加えて、人と過ごす時間や、誰かの役に立つ機会も、暮らしの充実につながります。好きなことを一人で続ける日もあれば、その話を誰かとする日もある。得意なことを使って、人を手伝うこともできます。

一人で黙々と取り組むのが好きなのか、誰かと話しながら進めるのが好きなのか。自分の上達に喜びを感じるのか、人に喜んでもらえるとうれしいのか。同じ趣味や活動でも、どこに充実感を覚えるかは人によって違います。

ソニア・リュボミアスキー著『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』にも、没頭できる活動、人間関係、親切、日々の喜びを味わうことが挙げられています。好きなことを工夫する面白さや、気持ちを話せる相手がいる安心感、誰かに喜ばれるうれしさ。こうした経験を日々の中に増やしていくことが、自由な時間の充実につながるのだと思います。

木の小さな巣箱づくりを楽しむカウジ

毎日の過ごし方

ここからの例は、2冊で紹介されている考え方を日々の暮らしに当てはめてみたもので、今の生活にも参考になりそうなところをピックアップしました。

先のことより今に集中する

友人と話していても、「退職後のお金は足りるだろうか」と考え続けていると、話を聞き逃してしまいます。自由な時間があっても、頭の中が別の心配でいっぱいなら、その時間にしたかったことへ十分に関われません。今に集中する意味は、目の前の会話や活動に注意を戻し、相手の話を聞き、したかったことに取り組めるようにすることです。

『「人生が充実する」時間のつかい方』でも、用事や気がかりに注意を奪われると、大切な人と過ごす時間から得られる喜びを逃してしまうと説明しています。スマホの通知を切って相手の話を聞く。食器を洗うときは、水の温度や手の動きに気づく。注意がそれたと気づくたびに、今していることへ戻します。

将来の計画は、落ち着いて考える時間を取っておきます。その場では答えの出ない心配を繰り返していたら、いったん手を止めて周囲の音や体の感覚に注意を向け、目の前の活動を再開する。FIREの達成や仕事の成果を待つ間にも、今したいことに関われる時間を持てます。

夢中になる時間を持つ

これまで、時間を忘れて取り組んだことはあるでしょうか。誰かに言われたわけでもないのに、つい調べ続けたり、何度も工夫を重ねたりしたこと。そんな経験の中に、これからも楽しめることがあるかもしれません。

心理学では、目の前の課題に深く入り込み、時間の経過や自分への評価があまり気にならなくなるような状態を「フロー」と呼びます。『幸せがずっと続く12の行動習慣』でも、挑戦しがいのある活動に没頭する時間を増やすことが勧められています。取り組むこと自体が面白く、工夫を試すうちに、もう少しやってみたいと思える。そんな時間です。

料理なら「今日は火の通し方を変える」、写真なら「暗い場所でも手ぶれせずに撮る」というように、小さな目標を決めます。簡単すぎれば少し難しくし、手に負えなければ小さくする。試した結果が見えると工夫を続けやすく、「前よりできた」という手応えが、次もやってみたい気持ちにつながります。研究をまとめた分析でも、フローと生活の満足感や意味を感じることとの関連が報告されています。

その時間を、普段の予定にも入れておきます。休日の午前中に作りかけのものを進める、平日の夜に少し練習する。好きなことに手を動かす時間が、退職前から続いていれば、退職後の毎日にもつながります。

人との関係を大事に、親切な行動をとる

近況を話して聞いてもらう、困っているときに気にかけてもらう。人との関わりには、自分の気持ちを受け止めてもらえるよさがあります。そうしたやり取りが、自分は誰かとつながっているという安心感になります。友人との会話を促した実験でも、その日の気分やつながりの感覚がよくなる傾向がみられました。

退職すると、職場で自然に交わしていた会話は減ります。しばらく会っていない友人に連絡する。家族と食事をしながら、ゆっくり話を聞く。離れて暮らす相手とは、電話で近況を伝え合う。仕事以外にも話せる相手がいると、気持ちや日々の出来事を分かち合えます。

親切な行動には、「自分のしたことが誰かの役に立った」と感じられるよさもあります。家族の買い物を手伝う、知人が困っている操作を一緒にやる、関心のある地域活動に参加する。自分にできることが相手の助けになると、得意なことや経験を生かせた手応えになります。親切な行動を促した実験をまとめた研究でも、行動した人の幸福感が高まる傾向が報告されています。

相手が助かることを、自分が引き受けられる範囲ですることも大切です。疲れているときまで無理に引き受けず、相手の希望を聞いてから手伝う。助けてもらったときには、うれしかったことと一緒に「ありがとう」を伝えます。

小さな楽しみ

日々の喜びを味わうことも、同書で紹介されている行動です。朝のコーヒーがおいしかった、友人との話で笑った。いつもの一日にも、気持ちが和らぐ瞬間があります。

一日の終わりに、そんな出来事を思い出してみる。うれしかったことを誰かに話す。楽しかった時間は、その後も振り返って味わえます。

何を楽しいと感じるか、どのくらいの頻度なら続けられるかは、人によって違います。リュボミアスキーらの研究でも、活動と本人との相性や、取り組み方の違いが重視されています。人と会う日も、一人で休む日も持ちながら、自分が心地よく過ごせる日常にしていきます。

毎日の中に持っておきたい時間

今に集中する

通知を切って取り組む

夢中になる

少し難しいことに挑戦

人と関わる

話す・感謝する・手伝う

小さな楽しみ

うれしい出来事を振り返る

退職を待たず、今の暮らしから始められます。

参考にした本(PR)

『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』は、今回取り上げたものを含む12の行動と、それを習慣として続ける工夫を紹介しています。

ソニア・リュボミアスキー著/金井真弓訳/日本実業出版社/2023年刊行の新装版

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誰かに届ける本を小さな箱にまとめるカウジ

まとめ

夢中になれる活動と、仕事以外の人とのつながりを、FIREする前から育てておくことが大切です。毎日の小さな楽しみや、誰かの役に立つ機会も、退職後の暮らしを支えます。

仕事を離れた後の充実感は、定年退職でも向き合うテーマです。仕事の充実感を求めてFIREを卒業した人は、定年前にその大切さに気づけた、と私は思います。そう考えると、今から自分の毎日を充実させることが、退職後への準備になります。

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カウジについて

カウジのアバター カウジ 元管理職

44歳で次の仕事を決めずに退職したカウジです。現在はストック型のスモールビジネスに挑戦中。退職前に考えたことと、辞めた後の暮らしを実体験から書いています。
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