転職後1年未満で退職しても傷病手当金は続く?前職を通算できる条件

転職して1年経たないうちに辞めると、退職後の傷病手当金は受けられないのでしょうか。

現職の勤続年数が1年未満でも、退職後の継続給付を受けられる場合があります。 確認するのは、退職日までに対象となる健康保険の被保険者期間が切れ目なく1年以上続いているかです。前職の加入期間を含められる場合もあります。ただし、加入期間だけで支給が決まるわけではありません。

私は2025年9月16日に転職し、2026年8月31日に退職しました。転職先に在籍した期間は約11か月半です。手続き中に「継続して1年以上」という条件を見て、最初は自分が対象外なのかと思いました。

調べるうちに、数えていたものが違うと分かりました。この記事では、私の加入履歴を例に、前職分を通算できる条件と、確認する日付を整理します。

※2026年9月5日に確認した公式情報に基づきます。実際の支給可否や必要書類は、退職前に加入していた健康保険の保険者へ確認してください。

目次

「今の会社で1年」と「健康保険に継続1年」は別

退職後も傷病手当金を受ける仕組みを「資格喪失後の継続給付」といいます。協会けんぽのFAQでは、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があることを条件の一つに挙げています。

ここでいう1年以上は、必ずしも同じ会社に1年以上勤めたという意味ではありません。

私が加入していた産業機械健康保険組合のFAQには、組合への加入が1年未満でも、直前の健康保険から1日も空かずに加入していれば通算できると明記されています。国民健康保険や任意継続被保険者だった期間は通算できません。

つまり、現職の勤続年数だけを見て諦める前に、前職からの健康保険の加入履歴を見る必要があります。

私の場合は、前職を辞めた翌日に転職した

私の入退社日を並べると、次のようになります。

出来事日付
前職を退職2025年9月15日
転職先へ入社2025年9月16日
転職先を退職2026年8月31日

前職の健康保険から転職先の健康保険へ、日を空けずに移っています。転職先だけなら約11か月半でも、前職からの期間を含めて確認できるケースです。

ただ、入退社日がつながっていれば、それだけで確認完了とはしない方がよいと思います。見るべきなのは、実際の健康保険の資格取得日と資格喪失日です。雇用契約を結んだ日や、最初に出勤した日とは区別して確かめます。

自分の履歴を整理するときは、次の3点を勤務先や保険者に確認します。

  • 前職の健康保険の資格喪失日
  • 現職の健康保険の資格取得日
  • 退職日までに、対象の被保険者期間が継続して1年以上あるか

たとえば前職の資格喪失日が9月16日、現職の資格取得日も9月16日なら、その間に空白はありません。反対に、現職の資格取得日が9月18日なら、9月16日・17日の扱いを確認する必要があります。これは日付の見方の例です。自分の加入履歴をこの日付に置き換えてください。

「通算」は3つの話に使われる

「通算」という言葉は、加入期間だけでなく、支給期間や支給額の話にも出てきます。何を数える話なのか、ここで分けておきます。

確認したいこと何を見ているか
退職後も受けられるか退職日までの、継続した被保険者期間1年以上
いつまで受けられるか同じ傷病についての支給期間。原則、支給開始から通算1年6か月
1日いくら受けられるか標準報酬月額などを使う支給額の計算

この記事の対象は一番上です。支給期間が通算1年6か月になったという2022年の制度改正は、退職後の継続給付に必要な「被保険者期間1年以上」をなくしたものではありません。

また、在職中に傷病手当金を受けられるかどうかと、退職後も続けて受けられるかどうかも別です。「入社1年未満でも傷病手当金を受けられる」という説明を見つけても、それが在職中の話なのか、退職後の話なのかを確かめてください。

途中に国保や任意継続が入る場合は、そのまま足さない

以前の会社でも何年も健康保険に入っていたから、すべて足せばよい。そういう数え方ではありません。

前職と現職の間に国民健康保険や任意継続の期間がある場合は、「1日も空かずに対象の被保険者資格が続いている」という条件を満たすかが問題になります。過去の加入期間を単純に足して判断しないでください。

前職からのつながり確認すること
対象の健康保険が1日も空かず続く前職分を含めて、退職日まで継続1年以上あるか
途中に国保・任意継続などの期間がある対象の被保険者資格が途切れていないか。通算できると自己判断しない
日付や加入区分が分からない資格取得日・喪失日・加入区分を勤務先や保険者へ確認する

土日や祝日を挟んだ転職でも、出勤しなかった日数ではなく、被保険者資格がどうつながっているかを確認します。

1年以上あっても、退職後の支給が決まるわけではない

継続給付には、加入期間以外にも条件があります。協会けんぽや私の加入先の案内では、資格喪失時に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であることなどが必要です。

私の加入先は、退職後も同じ傷病で労務不能な状態が続いていることを求めています。退職日に数時間でも勤務した場合は対象にならないとも案内しています。

「最後に挨拶だけ」「貸与品を返すだけ」のつもりでも、その日の勤怠の扱いを自分で決めないことが大切です。具体的な確認方法は、退職日に挨拶へ行くと傷病手当金はどうなるかにまとめました。

なお、退職後に任意継続へ入ることと、傷病手当金の継続給付を受けられることも別です。任意継続を選べば、足りなかった退職前の加入期間を補えるわけではありません。

健保へ聞くときは、日付を並べて伝える

私は最初、「今の会社に1年いない」ということばかり気にしていました。しかし、必要だったのは、自分の加入履歴が条件に当てはまるかを確かめることでした。

これから確認するなら、次のように伝えると、勤続年数と保険の加入期間を混同せずに済みます。日付が不明な欄は、分からないまま埋めず、確認方法も聞いてください。

退職後の傷病手当金の継続給付について確認したいです。

現職の加入期間は1年未満です。前職の健康保険の資格喪失日は○年○月○日、現職の資格取得日は○年○月○日、退職日は○年○月○日です。

この履歴で、継続給付に必要な「退職日まで継続して1年以上」の被保険者期間を満たすか確認できますか。前職の加入履歴を確認する書類が必要なら、書類名と取得先も教えてください。

そのうえで、退職日時点の受給要件、退職後の申請先、必要書類を確認します。申請書の会社記入欄で迷う場合は、退職後の傷病手当金に会社の証明は必要かも参考にしてください。

私は「1年未満だから無理かもしれない」と思いかけました。でも、確認すべきは現職の勤続年数だけではありませんでした。まずは前職の資格喪失日と現職の資格取得日を調べ、保険者に加入履歴を見てもらう。そこから始めれば、自分が次に確かめることがはっきりします。

確認に使った公式情報

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この記事を書いた人

カウジのアバター カウジ 40代の人生再設計を記録する元管理職

44歳、元管理職。43歳で17年ぶりに転職し、約1年で休職・退職。仕事・家計・家族・制度を整理し、「弱っている日に、人生を決めない」ための判断材料を発信しています。ブログでは制度と手順、noteでは体験と判断過程を書いています。

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