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「辞めたい。でも、自分が抜けたら、あの人に全部いく」
転職を考えても、残る同僚の負担が気になる場合。自分しか分からない処理もあるし、後任は誰になるかわからないし、いないかもしれない。「もう少し落ち着いてから」と、退職を切り出すのを先に延ばしてしまう。
「会社は何とかなるよ」と言われても、実際に困りそうな人の顔が浮かぶと、簡単には割り切れません。
この記事の結論
会社に「辞めます」と伝える前から、不要な作業を減らし、自分しか分からない仕事を共有しておく。残る人のための準備と、自分の転職準備を並行して進めます。ただし、業務改善や外注の導入を終えること、後任が決まることまでを、退職を申し出る条件にしなくてかまいません。
「辞めたい」と「迷惑をかけたくない」が、頭の中に共存する
忙しい同僚へ、さらに仕事を渡すことになる。お世話になった上司を、困らせるかもしれない。そんなふうに考えると、退職の話をするだけでも気が重くなります。
残る人の負担を減らすことも、自分がこれからどう働きたいかも、どちらも大事です。転職を考えた理由まで、後回しにしなくてかまいません。
不安や申し訳なさが残っていても、退職の意思は伝えられる
退職を決めても、伝えるときは緊張するかもしれません。考えた末の結論と、話を切り出す緊張は別に扱ってよいと思います。
心理学でいう「心理的柔軟性」には、不安やつらい感情を無理に取り除かず、自分が大切にしたいことに沿って行動する、という考え方があります。感情を消すことに力を使いすぎると、かえってその感情に行動を左右されることもある。
考え方の参考:鈴木祐の解説/Hayesによる心理的柔軟性の解説
不安や申し訳なさが残っていても、退職の意思は伝えていい。緊張しながらでも、お世話になった感謝と、退職を決めたことを話せばよいと思います。
自分ができる準備は、着実に行っておく
自分しか分からない手順を、普段から共有しておく
長く担当していると、手順書にない処理も、自分なら分かるようになります。人に任せるには説明が多く、結局、今回も自分で片づけてしまう。
毎月の集計なら、次の作業でいつもの手順と例外処理を残しておく。問い合わせ対応なら、過去の履歴や判断の理由を共有する。頭の中にしかない手順を、ほかの人も使える形にしておきます。
手順と判断の理由を残す際は、確認済み・仮説・要判断を分ける業務記録の例も参考にしてください。
後任を決めることまで、自分で背負わない
手順の共有や作業の見直しは、日々の業務でも進められます。一方、後任や仕事の割り振りを決めるのは会社です。辞めると伝える前に、引き継ぎ先まで自分で用意しようとしなくてかまいません。
辞めると伝える前は、今の仕事と残っている作業を把握しておく。具体的な引き継ぎ方は、伝えたあとに会社と相談して進める。できる準備を進めながら、自分が伝える時期も決めておく。
準備にかける時間は、今の仕事と転職活動に無理のない範囲で。職務経歴書を整えたり、求人を見たりする時間も取っておきましょう。
残る人の負担が気になるなら、引き継ぐ前に仕事を減らす

辞めるとき、せめて後任には苦労を掛けたくない。そう思うなら、今ある仕事をすべて引き継ぐ前に、不要な工程を見直します。これまでの流れをそのまま踏襲し、形骸化している業務は意外と多いと感じています。
使われていない資料や、重複した集計を見直す
誰も見なくなった資料、別のシステムにもある数字、念のために続けている集計。資料を受け取る人に、どの項目を何に使っているか聞いてみます。月末にしか使わないなら、毎週作る必要はないかもしれません。
保存や点検など、決まりで必要な作業もあるので、やめる範囲は上司や関係者と決めます。残す仕事では、繰り返し入力しているところや、毎回同じ手順で処理しているところを探します。
手作業を小さくすれば、後任が覚える量も減る
たとえば、データの取り込みと集計を自動化できれば、毎回の転記を減らせます。後任へ教えるのは、データの準備、結果の確認、例外への対応です。自分でプログラムを作る時間や知識が足りなければ、その部分を外注する方法があります。
私が約1万円で、2時間の手作業を15分にした経験
私が以前改善したかったのも、1回に2時間ほどかかる手作業でした。外注を検討したところ、会社からは「仕事で必要なら、自分で勉強して作れるようになって」という話が返ってきました。
私は「こんなところで時間をつぶしても意味なくね?」と思い、約1万円を自腹で出すことを即決しました。まず自分で費用対効果を実感できれば、会社とも交渉しやすいだろうと考えたからです。
依頼したのはココナラ
で、納期は約2日。完成したプログラムで、2時間かかっていた作業が15分になりました。金額と納期は、記憶に基づく概数です。
同じような入力や集計を外注するなら、業務の自動化に対応している依頼先を探し、見積もり、納期、納品後の修正範囲を確認しておきたいです。約1万円・約2日というのは私のケースで、費用や納期は依頼内容によって変わります。
| 私が外注した作業の例 | 時間・費用 |
|---|---|
| 導入前の手作業(1回) | 約2時間 |
| 導入後の作業(1回) | 15分 |
| 1回あたり減った時間 | 約105分(2時間 − 15分で計算) |
| 外注費 | 約1万円(私が自腹で負担) |
依頼したのはプログラムの骨格で、会社名、顧客情報、実際の数値は渡していません。必要な情報は社内で設定し、納品後は自分で動作を検証しました。簡易マニュアルも付けてもらい、メンテナンスは部下へ引き継ぎました。
2時間の手作業を覚えてもらう前に、15分の作業へ縮めておく。そのうえで、操作方法とメンテナンスを引き継ぐ。
自腹はあまりおすすめしません。外注費は会社の予算で進めるのがよいと思います。

まとめ|退職を伝える前から、仕事を手放す準備をする
残る人への気遣いと、自分の転職準備は並行できます。普段の仕事で不要な工程を減らし、自分しか分からない手順を共有しておく。会社が決めることまで抱えず、自分の転職も進めましょう。
削減した時間や、依頼内容の整理・検証で担った役割は、職務経歴書でも伝えられます。
