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年収や役職などの条件は上がる一方、転職先で本当に力を出せるか不安な40代へ。私が見落とした人員体制、任される範囲、上司の支援を振り返り、面接で確認したい質問へ落とし込みます。
43歳で、17年間勤めた会社から転職しました。年収も上がり、任される予定だった仕事にも魅力を感じていました。
ところが翌年、仕事を続けられなくなりました。
入社前に分かっていたのは、年収や勤務地などの待遇でした。一方で、実際に誰と働き、どこまで任され、上司からどんな支援を受けられるのかは、ほとんど言葉にできていませんでした。
入社後に何が起き、どこで「一時的な負担」と見誤ったのか。ここでは、その経過と、今なら面接で聞きたいことを書きます。
年収は約600万円から約800万円に上がった
給与は入社前から金額で比較できます。毎月の手取りや年間の貯蓄額も、ある程度は計算できます。200万円上がるなら、それだけで転職する理由になり得ます。
転職先で任されると聞いていたのは、次のような仕事です。
- 現場全体の業務改善と効率化
- 外部との交渉
- 新しい仕組みの導入
- 将来のマネージャーという役割
前職で培った経験を使い、個別業務だけでなく、現場全体を見渡して仕事を動かす。その役割と年収がセットになっているつもりでした。
しかし、年収は確定した条件でも、仕事内容や将来の役割は、まだ実現していない期待です。私はその二つを同じように受け取っていました。
入社前に「自分は何を再現できる人なのか」を整理しておくと、期待された役割と自分の実績を分けて確認できます。私は職務経歴書に使う実績1件の棚卸しとして、行動・工夫・結果を一つずつ書き出しました。
入社前に聞いた役割と、実際に使った時間
配属先は、一人欠員がいる状態で始まりました。途中で止まっていた新しい仕組みの導入を引き継ぎ、既存メンバーをフォローしながら進めることになりました。
欠員がいる以上、当面の作業を引き受けるのは仕方がないと思っていました。いずれ自分がこのチームを管理するなら、現場を知るために必要な時期でもあります。業務量をカバーするため、休日出勤を含めて月60時間を超えて残業した月もありました。
実際に多くの時間を使ったのは、社員のタスクや進捗の確認、資料作成や提出のフォロー、派遣社員への業務の割り振り、職場内の調整でした。業務要件、ガントチャート、説明資料、Q&Aを作り、仕事が前に進むところまで支えることも日常になりました。
配属先の人たちは、話をするといい人でした。私の話を遮らず、提案への反対もありませんでした。ただ、日々の業務に定着させるところまでは進みませんでした。
「一時的な負担」だと思っていた
ここで私の判断が遅れました。
入社時から一人欠けていましたが、欠員補充の話は、その後も出てきませんでした。年が明け、入社から3か月ほどたっても、人員体制も仕事の進め方も変わりませんでした。
それでも私は、もう少しすれば変わると考えていました。将来このチームを任されるなら、今の負担も無駄ではない。そう解釈していました。
2月ごろには、自分が頑張っても状況は変わらないと感じ、改善に力を注ぐことをやめました。3月ごろからは、仕事を続けながら、どう辞めるかを考えるようになりました。
一方、3月中旬から参加した部門横断のプロジェクトでは、仕事への手応えが戻りました。新しいことを考え、部外の人と話し、5月には経営会議向けの報告も任されました。通常業務も大きく増え、土曜日も働きながらの対応でしたが、この仕事には充実感がありました。
私が仕事そのものを嫌いになったわけではありません。業務改善や全体を整理して伝える仕事なら、まだ力を出せることも分かりました。
プロジェクトは5月に終了しました。6月以降は、業務量の増加を埋める作業と、派遣社員へのレクチャーや調整が再び仕事の中心になりました。
職場内の問題への対応が重なった週末、私は「なぜ、こんなことに自分の時間を使っているのだろう」と考えました。それまでの負担も重なり、その職場で働き続けることができなくなりました。その後、職場へ戻ることはなく、最終的に辞めました。
年収アップ転職の前に「何が起きたら失敗か」を決める
転職活動では、入社後に得たいものを考えます。年収、役職、経験、やりがい。私に足りなかったのは、何が得られなければ失敗と判断するのかという基準でした。
当時の自分が言葉にするなら、こうなります。
年収が上がっても、業務改善や外部との交渉に時間を使えず、欠員の穴埋めと人のフォローが仕事の中心になるなら、この転職は失敗である。
以下は当時の面接で聞いた質問の再現ではありません。経験を振り返り、今なら聞いておきたいことです。
- 入社後3か月、半年、1年で、何を実現してほしいのか
- 通常業務と改善業務には、それぞれ何割の時間を使うのか
- 配属先には何人いて、どのような役割を担っているのか
- 欠員は何人で、採用はどこまで進んでいるのか
- 過去の改善が止まった理由は何か
- 業務分担や人員配置について、どこまで決められるのか
- 現場との問題が起きたとき、上司は何を引き取るのか
「将来はマネージャーを任せたい」という言葉を、「いつから、何人を、どの権限で管理するのか」に変える。「業務改善を期待している」という言葉を、「誰と、どの時間を使い、どこまで変えられるのか」に変える。
たとえば欠員補充について「採用する予定だが時期は決まっていない」、改善業務について「まずは現場を回してから考える」という回答なら、その状態が長く続く可能性も考えます。回答の内容だけでなく、時期や担当者まで具体的に決まっているかを見る必要があります。
質問する目的は、会社の本音を見破ることではありません。抽象的な期待を、判断に使える事実へ変えることです。
年収以外の条件を言葉にする
年収以外の条件を整理するときは、鈴木祐さんの『新版 科学的な適職』も参考になります。自由、達成、明確さ、仲間、貢献など、仕事を見る物差しを増やせる本です。
転職前の私にこの視点があれば、仕事内容や年収だけでなく、仕事の進め方や、改善を実行できる環境まで確認したと思います。

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入社後に待つ期限も決めておく
どれだけ確認しても、入社しなければ分からないことは残ります。面接時と組織が変わることもあれば、会社側も先のことを決め切れていない場合があります。
だから、入社前の確認と同じくらい、入社後の判断基準も必要です。
- 何が実現すれば、この転職は成功なのか
- 何が続けば、失敗と判断するのか
- 状況が変わるまで、いつまで待つのか
- 変わらなかった場合、どのような選択肢を取るのか
私は「一時的な負担」と考え続けました。しかし、期限を決めていなかったため、状況が変わらなくても引き受け続けました。
応募前の準備から求人選び、面接、内定比較まで整理したい人は、40代の転職で同じ失敗をしないために考えたことも参考にしてください。
