この記事の結論
家族との信頼関係を大切にするためにも、退職は決める前から家族に相談する。生活費と家事を分担し、自分の自由を家族の負担にしない。
会社を辞めたい。でも、自分の都合で家族の暮らしを苦しくしたくない。そう思うと、辞めた後の予定が全部決まるまで、話せなくなってしまうかもしれません。
切り出すなら、例えば「まだ辞めると決めたわけではないけれど、最近、仕事の○○がつらい。うまく整理できていないけれど、まず聞いてほしい」。最初の話で、退職への賛成まで求める必要はありません。
私は44歳で、次の仕事を決めずに退職しました。妻と二人暮らしで、子どもはいません。退職前に固定費を見直し、生活資金も用意していました。ただ、妻への相談には反省が残っています。
妻には、もっと考えている途中から話せばよかった
今回の退職は、妻への相談というより、「辞めることにした」という結果報告に近い伝え方でした。そこに至るまでの経緯を、十分に話していなかったのです。

会社以外のことに時間を使いたい気持ちは、以前から妻にも話していました。前の転職では、妻の方から背中を押してくれたこともあります。
私は、相談する頃には自分の中で答えが出ているタイプです。それを妻にもすぐ受け入れてもらおうとしたのは、さすがに都合がよかったと思います。
妻は心配しながらも最後は賛同してくれました。もっと早く話していれば、妻にも考える時間を持ってもらえたと思います。


家族は、何が変わることを心配しているのか
辞めたい気持ちを伝えたら、相手が何を心配しているかも聞いてみます。自分が「生活費は大丈夫」と思っていても、家族が心配しているのは別のことかもしれません。生活費や家事がどう変わるかは、相手の話も聞きながら、一緒に確かめていきたいです。
子どもがいる家庭なら教育費、住宅ローンがある家庭なら毎月の返済など、守りたい支出も違います。お金の見通しがあっても、家にいる時間が増えて生活のペースが変わることや、自分だけが働き続けることに戸惑うかもしれません。
配偶者にも、仕事を減らしたい、勉強する時間がほしい、といった希望があるかもしれません。自分の退職後の予定だけでなく、相手の希望も聞いておきたいです。
何がつらいのか自分でもうまく説明できないときは、人間関係、仕事内容、疲れなど、思い当たることを分けてみる。これからの生き方にも迷っているなら、ミッドライフクライシスについて書いた記事や、RICHで4つに分けて考える方法も参考にしてください。
生活費、自由な時間、家の仕事を一緒に話す
生活費の負担を、相手任せにしていないか
妻とは、退職後も生活費の負担を変えないことで合意しました。事業収入ではまだ暮らせませんでした。資産が減ったら正社員として再就職する案も、了承してもらっていました。
ただ、後から計算すると、仕事を探し始める時期が遅すぎると分かりました。求職を始めてから最初の給料が入るまでの生活費も、残しておく必要があったのです。

「生活費の負担は変えない」と約束しても、そのお金がいつまで持つかを確かめていなければ、途中で相手に頼ることになりかねません。次の仕事の最初の給料まで払えるかも含めて、見通しを伝える必要がありました。計算の考え方は、退職後に使うお金と残すお金を分ける記事にまとめています。
退職に賛成してもらえたからといって、配偶者が勤務を増やしたり、自分の転職や勉強を後回しにしたりすることまで了承したとは限りません。こちらの計画が相手の追加負担を前提にしていないかは、別に確かめたいです。
家にいる時間が増えたら、家事はどうするか
自分は休みたいと思っていても、配偶者は家事や子どもの送迎をもっと分担してほしいかもしれません。食事の支度、買い物、掃除など、誰が何を引き受けるかを話しておくと、期待の食い違いを減らせます。
家にいる人が全部引き受ける、と決める前に、休む時間や次の仕事を探す時間も含めて相談する。どちらかだけが休めない分担になっていないかも確かめたいです。
すぐに賛成してもらえなかったら、心配の中身を確かめる
家族が不安を感じても、仕事がつらいことは伝えてよいと思います。そのうえで、何が心配なのかによって、次に話すことを変えます。
お金が心配なら、収入がない間の支払いと、仕事を探し始める時期を示す。家事の負担が心配なら、誰が何を担当するかを提案する。相手に追加の負担を引き受けてもらえないなら、自分の支出や事業に使うお金を減らす、収入を得る仕事を残す、退職時期を延ばすといった別案を用意する。「大丈夫だから」と繰り返すより、相手も答えやすくなります。
すぐ辞める以外に、働きながら次を探す、負担を減らせないか相談する、休暇を取るといった方法もあります。時期を延ばすなら、その間に何を確かめるかも決めておく。家族の不安があるからと、何も変えず我慢し続けることにはしたくありません。
一度の話し合いで結論を出さず、日を改めても構いません。過去に強く否定され、話すこと自体が怖い場合は、家族以外の話しやすい人に聞いてもらうところからでもよいと思います。
退職後、相手だけが忙しくなっていたら
退職して自分の時間は増えたのに、配偶者の家事が増え、一人で休む時間が減っていた。もしそうなっていたら、退職前の分担にこだわらず、食事の支度や買い物など、自分が引き受ける仕事を増やす方法があります。
反対に、自分が家事を全部引き受けて、休養や求職の時間を取れない場合もあります。「家にいるのだから」と一括りにせず、必要な時間を伝え、担当や回数を相談したいです。
私の反省は、自分の答えが出てから、妻にもすぐ納得してもらおうとしたことです。これから話すなら、結論を伝えるだけでなく、相手の暮らしがどう変わるかまで示す。引き受けてほしいことがあるなら、それも隠さず相談したいです。
退職後の暮らしについて
その後の経過は、退職後の暮らしの記録にまとめています。
