ブログカウジ|40代の働き方と暮らし
仕事がつらい。このまま働き続ける将来にも迷いがある。やってみたいこともある。いくつもの思いが重なって、自分でも何を変えたいのか分からなくなっていませんか。
この記事では、海外のMidlife Reinventionが紹介するRICHという考え方を取り上げます。人間関係、望む暮らし、仕事・お金、健康の4つに分けて、今の状況を整理する方法です。
残業・人間関係など
仕事・家族・趣味など
収入・分担・時間など
私が調べようと思った理由|辞めたい理由を、妻にうまく説明できなかった
私は43歳で転職し、44歳で次の仕事を決めずに会社を辞めました。そこに至るまで、いくつものことを同時に考えていました。
- 今の職場環境に問題を感じている。
- この仕事を続けた先に、自分の望む将来があるのか。
- 今やっていることは、本当に自分がやりたいことと合っているのか。
どれも、私にとって気になることでした。妻に話そうとしても、これらが重なってうまく説明できない。自分自身も、何がどのくらい引っかかっているのかを言葉にできていませんでした。
この複雑な状態を、どうすれば整理して伝えられるだろう。それが、今回の考え方を調べようと思った理由です。転職や退職の詳しい経緯は、カウジのプロフィールに書いています。
同じように、いくつもの事情を抱えている方へ
私には今、子育てや介護の責任がなく、こうして調べて文章にする時間を取れています。自分のことを考える時間を持てるのは、恵まれた状況だと思っています。
仕事に加えて、子育てや親の介護を担っている方もいるでしょう。日々の用事で精いっぱいで、自分の悩みを整理したり、海外の情報まで調べたりする時間を取りにくい方もいると思います。
私が調べたことをここにまとめておくことで、その手間を少しでも減らしたい。いくつもの事情が重なっている方が、自分の状況を考えるときに参考にできるページにしたいと思って書いています。
Midlife Reinventionとは?人生の転換期を扱う活動
midlife reinventionは、中年期に人生や働き方を作り直すことを表す言葉です。この記事で取り上げるMidlife Reinventionは、Anju Debnath氏が運営する活動の名称です。
公式FAQによると、創設者自身が同じ月に結婚生活と経営層としてのキャリアを失った経験を持ち、当初はMidlife Mindfulnessとして始まりました。現在は離婚や失職などの転換期を扱い、動画・ブログ・交流の場・コーチングを提供しています。出典:公式FAQ(英語)
その中で紹介されているのが、生活を4つの領域から見直す「R.I.C.H. Quadrant™」です。まずRICHで悩みの全体を見渡し、その後に、今の負担と望む将来を切り分けて考えます。後半の切り分けは、私の経験と価値観についての学びをもとにした、本記事独自の整理です。
RICHの4領域|重なっている悩みを分けて考える
誰と、どんな距離で関わりたい?
自分の時間を何に使いたい?
どんな働き方で生活を支える?
毎日を続けられる余力はある?
4領域の名称はMidlife Reinvention公式によります。日本語の問い、以下の例、整理の仕方は、本記事で加えたものです。
R:人間関係|会う人数より、どんな関わりを持ちたいか
家族がいる人なら、退職後に家事や生活費の分担が変わるかもしれません。一人暮らしなら、職場以外で気軽に話す相手がいるかが気になることもあるでしょう。
私の場合、会社を離れて、無理に関わっていた人との接点が減ったことには、気持ちが軽くなる感覚がありました。その経験は退職12日目の記録に残しています。
家族、友人、職場の人。それぞれについて、大切にしたい関わりと、負担に感じている関わりを考えます。子育てや介護を担っている場合は、家族の中で誰が何をしているかも、この欄に書けます。
I:望む暮らし|次の職業名より、過ごしたい平日を考える
「平日のライブに行きたい」「夕方には家へ帰りたい」。望む暮らしは、日々の小さな希望から考えられます。
そこから必要な条件を探します。平日休みなのか、残業の少なさなのか、休暇を先に決められることなのか。似た願いでも、必要な働き方は変わります。
私なら、ブログやものづくりを自分で試す時間を入れます。何をして過ごしたいかまで書くと、仕事に使う時間との配分も考えられます。
朝・昼・夜に、何をしていたいか。まずは平日一日分を書いてみると、仕事選びで譲りたくない条件が見えやすくなります。
C:仕事・お金|勤務条件と、それを支える収入を並べる
仕事では、勤務日数や場所、任される役割を考えます。お金では、その働き方に変えた後も生活費を払えるかを確かめます。
たとえば「週4日勤務がよい」と思ったら、休日が増えることと、収入や待遇がどう変わるかを並べます。「収入を下げてもよい」と言う前に、毎月いくら必要なのかも見ておきたいところです。
ここでは希望する条件と、お金の確認事項を一つずつ書きます。退職する場合の詳しい計算は、使うお金と残すお金を考える記事にまとめています。
H:健康|その一週間を、無理なく続けられそうか
通勤を短くしたいのは、趣味の時間を増やしたいからでしょうか。それとも、帰るころには疲れ切ってしまうからでしょうか。同じ「通勤を減らす」でも、理由を具体的にすると必要な条件が変わります。
最近の睡眠や疲れ、休める時間を振り返ります。仕事のある日と休日で、どのくらい休息を取れているでしょうか。家事や介護に使う時間も含め、今の一週間を書いてみます。
眠れない、食べられないなど生活に支障がある場合は、仕事選びの答えを出す前に医療機関へ相談してください。厚生労働省「こころの耳」にも相談先の案内があります。
仕事の悩みが、暮らしへつながる例
一つの悩みが、複数の領域に関わることもあります。以下はRICHを使って本記事で考えた架空例です。
- I:行きたい公演が平日に多い。
- C:今の勤務予定では休みを取りにくい。
- H:仕事終わりに遠征すると、翌日がつらい。
- R:一緒に行く友人とも予定が合わない。
この人が望む暮らしには、平日の休み、遠征の費用、翌日の休息、友人との予定が関わっています。「ライブに行きたい」を分けて考えると、相談したいことが具体的になります。
子育てや介護がある場合は、留守の間に家のことを誰に頼めるか、その人の都合や負担も加わります。同じ希望でも、必要な準備は人によって違います。
分けた悩みから、何を変えたいか考える
そこから、今の負担、望む将来、生活上の条件を分けてみます。私が妻に説明できなかったことも、この違いから考えると、何を話したかったのかが整理できます。
今の環境で困っていることと、これから望むこと
私には、職場環境への不満と、その仕事の先にある将来への疑問、自分のやりたいことへの思いが重なっていました。今、振り返るための問いにすると、次のようになります。
| 気になっていたこと | 分けて考えるための問い |
|---|---|
| 職場環境の問題 | 今の仕事の、どの場面に負担を感じているのか。 |
| 将来像とのずれ | その負担が軽くなったら、この働き方を続けたいと思えるか。 |
| やりたいこととのずれ | これから、自分の時間を何に使っていきたいか。 |
私の経験を振り返り、この記事のために考えた問いです。
例えば、上司とのやり取りが負担で、仕事の内容にはやりがいを感じているなら、担当や部署の変更が検討の対象になります。新しいものを自分で作る仕事に関心があるなら、仕事内容や裁量も確かめたい条件になります。どちらも、ここで考えた例です。
今の負担には、担当や勤務条件の変更。望む将来には、仕事内容や時間の使い方。それぞれに合う選択肢を考えられます。
自分は、仕事の何に満足を感じるのか
仕事への希望を考える参考として、エドガー・シャインらの著作『Career Anchors』があります。著者の公式サイトでも紹介されている、キャリアを考えるための文献です。出典:著者公式サイトの著作一覧
ここでは、仕事に求めるものを身近な言葉にするとどうなるか、本記事独自の例を挙げます。
- 自分の方法で仕事を進められること。
- 新しいものを形にできること。
- 収入や勤務予定の見通しが立つこと。
- 仕事と、家族や趣味の時間を両立できること。
同じ「もっとよい仕事に就きたい」でも、大切にしたい条件は人によって違います。私なら、自分で考えたことをブログやものづくりで形にする時間が、その一つです。
「自由が欲しい」と感じている場合も、休む日を選びたいのか、仕事の進め方を決めたいのかで、必要な条件が変わります。読者の方も、自分に近い例があれば、今の働き方のどこが合っていないのかを考える参考にしてください。
上の4項目は本記事独自の例です。著作の分類・診断項目の転載ではありません。
希望と、それを実現するための条件を並べる
子育てや介護を担っていたり、毎月必要な生活費があったりすると、自分の希望に加えて考えることが増えます。希望と、それを実現するために調整が必要な条件を並べると、次に何を確かめるかが具体的になります。
| 望んでいること | 確かめたい条件の例 |
|---|---|
| 残業を減らし、子どもと過ごしたい | 勤務時間を変えられるか。収入はどう変わるか。家族の分担はどうなるか。 |
| 介護を続けながら、自分の休息も取りたい | 負担が集中する時間帯はいつか。家族や利用中の支援先に何を相談できるか。 |
| 興味のある活動に時間を使いたい | 週にどのくらい時間が欲しいか。今の予定の中で変えられる部分はあるか。 |
RICHで気になる領域を見渡し、負担・希望・条件を分ける。この順番は、自分の状況を理解するための整理案です。退職の可否や健康状態を判定するものではありません。
まとめ|何がつらくて、何を大切にしたいのか
いくつもの事情が重なっているときは、「今、負担になっていること」「これから望むこと」「生活上、考慮したい条件」を分けると、考える対象が具体的になります。
例えば、「残業と家の用事が重なって休めない。家族との時間も欲しい。毎月の収入は保ちたい」。そこまで整理できれば、勤務時間、家の分担、収入について、何を確かめたいのかが分かります。
妻にうまく説明できなかった私と同じように、複雑な思いを抱えている方が、自分の状況を理解するために、このページを使ってもらえたらうれしいです。必要なときには、整理した内容を身近な人に見せて、一緒に考える材料にもできます。
退職を含めて選択肢を比較したい方へ、40代で会社を辞めるか迷ったときの6つの手順をまとめています。
