40代で次を決めずに会社を辞めて2週間、自由なのに思ったほど動けなかった

朝のリビングでスマートフォンを見るカウジ。テーブルにはノートPC、ノート、ゲームコントローラーが置かれている

2026年9月17日公開|退職から2週間ほどの記録

この記事の結論

会社を辞めて時間ができても、やることを増やすだけでは満足できませんでした。忙しくするために予定を埋めるより、以前からやりたかったことに時間を使いたい。退職後に考えたのは、そのことです。

妻を仕事へ送ったあと、ソファに寝転がってXを開く。気づけば午前中が終わっていた。

退職から二週間。時間はできたのに、会社員の頃にやりたかったゲームにもブログにも、思ったほど集中できていません。

「自由になれば自然に動ける」と思っていた自分は甘かった。やりたいことはあるのに、どうして満足できないのか。二週間ほど過ごしてみて、そこが気になり始めました。

目次

退職8日目の楽しさと、二週間目のちょっとした反省

スマートフォンを手に、机の前で考えるカウジ

退職8日目には、ドラクエよりブログの方が面白く、自然に手が伸びると書きました。ところが二週間目には、「これだけ書いて、どこまで進んだのか」が気になり始めました。

名作RPGを遊び直すつもりが、DQXのアイテム集めへ

時間はあるのに、退職前に思い描いていた「名作をじっくり遊び直す生活」にはなっていません。

没頭できないまま、今よくやっているのは、ドラゴンクエストXのアイテム集めです。新しい物語へ入り込むより、あまり頭を使わずにできる作業を選んでいます。

だらだら過ごしてしまい、「このままじゃいけないよな」と、ちょっと反省していました。

20本以上書いても、進んだ気がしない

ブログが止まっているわけでもありません。立ち上げから約1か月で、記事は20本を超えました。

私はゴールから逆算して計画どおりに進めるより、思いついたことを形にしながら方向を見つけるタイプです。書きたいことは少しずつ見えてきましたが、自分の中では「ちゃんと前へ進んだ」という感覚が弱い。

何をもって進んだとするかを決めていなかったので、記事を増やしても、まだ足りない気がしていたのだと思います。書きたい記事があることと、それを書いて自分が満足できることは、私の中でうまくつながっていませんでした。

動き出すきっかけも、会社に頼っていた

机で自分の考えを書き留めるカウジ

私は昔から、計画的な自己管理が得意ではありませんでした。夏休みの宿題は最後まで先送りし、追い込まれてから一気に終わらせる。BMIも27〜28あたりを行き来し、体重を管理できているとは言いにくい状態でした。

締切やライバルが、動くきっかけになる

期限がある。競う相手がいる。気になることが一つできる。そういう条件があると、急に動けます。逆に、期限も競う相手もなく、何をやってもいい状態では、選択肢の多さに負けやすい。

会社員時代は、始業時間、締切、相手の都合が一日の形を作っていました。嫌だった制約ですが、その一部は行動のスイッチでもあったようです。辞めてその制約がなくなると、やることを決めるところで止まりやすくなりました。

「いつ・どこで何を始めるか」を先に決めておく方法は、心理学では「実行意図」と呼ばれます。大学生にクリスマスイブの過ごし方を書いてもらった実験では、文章の提出者のうち、指定された2日間に書いた人の割合は、事前に「いつ・どこで書くか」を決めた群で高くなっていました。

当時考えていたのは、Xで自分から話しかけること

退職から二週間のこの時点では、ネットで雑談する相手はいましたが、ブログのことを相談する仲間はいませんでした。

ノートパソコンに向かうカウジ

そこで、午前中を溶かしたXで、ブログに取り組んでいる人へ自分から話しかけてみようと思っていました。

それでも、会社を辞めたことは後悔していない

思ったほど動けていないからといって、会社を辞めた判断まで間違いだったとは思いません。

窓辺で飲み物を手に、ひと息つくカウジ

会社員の頃は、月曜日が憂うつでした。木曜日の夕方には週末を待ち、金曜日に終わらなかった仕事はそのまま頭の中へ持ち帰る。休日でも、未完了の仕事が後ろに立っている感じがありました。

今は、月曜日を憂うつに感じることも、休日に未完了の仕事を気にすることもなくなり、体はかなり軽くなりました。

会社の仕事には、自分一人では変えられないことが多くありました。一方、退職後は、Xを見る時間も、人と話す機会を作るかどうかも、自分で決められました。それでも思うように動けない自分を見るのは、気持ちのいいものではありませんでした。

退職12日目の記録では、人間関係と肩書が減り、仕事の負担から解放された感覚を「マイナスからゼロに戻った」と書きました。そこから数日たって、ゼロになれば自動でプラスへ進むわけではないと分かってきました。

この長い一日が、これからも続くと思ったら

ブログもゲームも、やりたいことではあります。それでも、満足して一日を終えるのは、思っていたほど簡単ではありませんでした。

もし、することがなくて長く感じる一日が、明日も、その先も、一生続くとしたら。そう思えば、自由になれたうれしさより、怖さを感じることもあるかもしれません。今日の過ごし方や感じ方が、ずっと続くと決まったわけではありませんが、FIREを考えるときには、そんな一日も想像しておきたいです。

同じ一時間でも、過ごし方で長さの感じ方は変わる

活動に深く集中する「フロー」では、時間の感覚が変わることも特徴の一つとされています。

一方、大学生に単調な課題をしてもらったWattの研究(1991年)では、退屈しやすい人ほど、時間の流れを遅く感じていました。

再び働く理由には、退屈や活動への意欲もある

米国の50歳以上を対象にしたAARPの2026年夏の調査では、再就労者の18%が、働き始めた理由に「退屈、または活動的でいたい」を挙げていました。FIREした人に限った数字ではありませんが、日々の過ごし方も、再び働く理由になっていました。

暇を埋めるだけでなく、自分の力をどこに使いたいか

ブログもゲームも、やりたいことではありました。それでも、記事の本数や遊んだ時間だけでは満足につながらなかった。空いた時間を何で埋めるかに加えて、「自分の力を、どんなことに使えたらうれしいか」という見方もできると思います。

スティーブン・R・コヴィーの『第8の習慣』には、自分ならではの意義を表す「ボイス」という考え方があります。出版社の紹介でも、自分の強みを生かし、その声を見つけることが説明されています。ここではその考え方を、退職後に自分の力を使いたい方向を考える手掛かりとして借りてみます。

例えば、ブログなら「もう一本増やす」から、「以前の自分のように困っている人へ、経験したことを分かる形で伝える」へ、目の向け方を変えてみる。これは満足の方向を考える例で、当時の私がそこまで決めていたわけではありません。自分がつい工夫したくなることや、面倒でも伝えておきたいことがあれば、その中に力を使いたい方向の手掛かりがあるかもしれません。

自由になっても思ったほど動けなかった、というのが退職二週間の私でした。休む日や遊ぶ時間まで、何かの役に立てる必要はありません。そのうえで、何かに取り組みたいのに満足できないなら、「自分の力を何に使いたいか」を一つ考えてみる。大きな使命を決めるより、今つい工夫したくなることからでよいと思います。

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カウジについて

カウジのアバター カウジ 元管理職

44歳で次の仕事を決めずに退職したカウジです。現在はストック型のスモールビジネスに挑戦中。退職前に考えたことと、辞めた後の暮らしを実体験から書いています。
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